昨今の電子機器の小型化に伴い微小コネクタの開発が進み、電気回路は益々複雑になっています。コネクタは基板実装部(はんだ付け部)と接点部(コンタクト部)を有しますが、微小化に伴い実装部と接点部の距離は1mm以下になってきました。 |
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このために、コネクタ表面全体に金めっきを成膜する仕様が増加しています。しかし、実装部に供給されたはんだが接点領域へ這い上がる不具合や、実装部のはんだ量が減少することによる接合強度低下の不具合が発生しています。この問題を解決するために、弊社独自の技術として、実装部と接点部の間にはんだ濡れ性の悪い領域を形成する技術を確立しました。 |
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この方法は、素材に下地ニッケルめっき(1〜2μm程度)を行い、次に金めっき(0.1〜0.4μm程度)を加工をした後、実装部と接点部の間にレーザ照射して、表層の金めっき層を下地ニッケル層に拡散させて改質層を形成します。この改質層はニッケルリッチなニッケル・金合金であり、そのはんだ濡れの性状はニッケルと同等の濡れ難さを示し、ニッケルバリア(はんだ濡れ禁止帯)として機能します。 |
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このニッケルバリアは0.15mm〜0.3mm程度の幅で加工することができ、位置精度±0.1mm、加工幅精度±0.05mmを量産レベルで実現しています。また、光の特性を活かし、従来のめっき技術では実現不可能な領域への加工にも対応しており、微小コネクタの開発に一役買っています。 |
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